Lycoris
連作長編群「Lycoris」シリーズの設定集
リメイク予定


世界観
▽世界地図

世界地図

 「クアイオーツ神記」という創世神話を礎とし、「央海」を取り囲むように三つの大陸が存在。さらにそれを囲む形で「遠海」および”未知の大陸”が全土を囲っている。央海の中心には島が一つあり、世界の秩序を管理する「世界政府」がある。世界政府を北極点とし、”未知の大陸”の方向を南、世界政府を中心に時計回りが西、反時計回りが東と呼ばれる。
 各国がそれぞれの役割を担う形で支え合っている。例えば食料は自国で生産する他にもテラ連邦国からミネバを通じて世界中に輸送され、工業品はアルテスを初めとする小国連盟所有の鉱山から産出したものをディアナで加工。装飾品は砂漠大陸産のものが高級とされており、これらの輸送に使われる船舶等はセドで作られている。
 創世神話を基にした文化が根付いており、年代は「神歴」という数え方をされる。創世から〈光と闇の混沌〉までを第一神歴と呼び、〈光と闇の混沌〉終結を第二神歴元年としている。

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【アルモナ大陸】
 北の大国ディアナと南の大国ミネバを主に擁する大陸。両国の狭間には山脈が並び、アルテスやメテルといった小国が集まっている。第二神歴1807年に南北戦争が勃発し、八年経った後も終結の見通しは立っていない。

*ディアナ国
 アルモナ大陸北部に位置する大国。首都はディナル。寒冷な気候で、特に北方は年中雪で覆われている。作物が育ちにくいことから他国より技術革新が早く始まり、技術大国となった。遺伝子組み換え作物や工業生産物が有名。国民の多くが原住民族を祖先としており、色素の薄い肌や目、髪が特徴。印は月と歯車。

*ミネバ国
 アルモナ大陸南部に位置する大国。首都はネルヴァス。温暖な気候で、国民の多くが他大陸からの移民を祖先とし、肌や髪、目の色が濃い人が多い。貿易大国であり、ミーア大陸の国々や砂漠大陸の人々と貿易を行っている。外資により力を増しており、その立場を利用して小国連盟を吸収、敵対国ディアナへ宣戦布告をした。印は金貨を抱いたフクロウ。

*アルテス国
 アルモナ大陸中央部に位置する小国の一つ。首都はアルティ。四季のある気候で、大戦以前は他国から観光に訪れる人が多かった。元々はディアナから独立した国であり、国民の外見はディアナ国民とおおよそ似ている。他の小国と同様に鉱山を有し、資源の輸出によって成り立っていた。力を増したミネバ国により連合国として吸収され、ディアナ国国境付近は激戦区となる。ディアナとの国境である山脈地帯「ナザの森」は交易の道が整備されていたが、現在は盗賊の巣と化した。印は女神の横顔と弓矢。

*メテル国
 アルモナ大陸中央部に位置する小国の一つ。アルテスと同様小国連盟の一国だったがミネバ連合に吸収され、戦線となっている。アルテスとディアナの国境よりは戦火が少ない。

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【ミーア大陸】
 創世神話の舞台リスナ皇国を擁する大陸。

*リスナ皇国
 ミーア大陸北部に位置する世界最小の島国。創世神話の舞台と言われ、神々を祭る神殿が多く建てられている神話信仰の聖地。白い肌に黒髪という稀有な見た目の人々が多い。独自の文化を持ち、皇王と呼ばれる君主が日々神へ祈りを捧げている。第二神暦1790年から鎖国状態となり、第二神歴1800年に滅亡が確認された。世界政府派遣の調査隊が滅亡の原因を調査中。

*セド国
 ミーア大陸北部、リスナ皇国と海を挟んで隣接する臨海国。前面に海を、背後に山脈を持ち、長年難攻不落を誇った。テラと国境を接し、階級制度がある。かつてディアナと共同開発した船舶工業が有名。湾岸に国王直下領であるナドル領を持つ。〈光と闇の混沌〉以降に復興の助けとして神々が人へ贈ったとされる神界語を扱う人々が現存する数少ない国でもある。

*テラ連邦国
 ミーア大陸南部に位置する大国。世界最大の面積を誇る。肌や髪、目の色が濃い。階級制度及び奴隷制度があり、自然の豊かさを利用した漁業、林業、農業といった一次産業が盛ん。南北大戦開戦直後、交易のあるミネバと同盟を結ぶことを発表した。

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【砂漠大陸】
 そのほとんどを砂漠で覆われた大陸。未踏地域が多く詳細はわかっていないが、神話を信仰する少数民族が多く住み、神々の使徒ではないにも関わらず世界を掌握しようとしている世界政府を快く思っていない者が多い。世界政府が定めた「クロア大陸」という呼び名があるが砂漠大陸の民族に受け入れられておらず、その呼称を使う者はほとんどいない。希少な生物の他獣人がいるという噂もあり、乱獲目的に立ち入る密猟者が絶えない。

*アローラ国
 砂漠大陸北部に位置する島国。島国としては世界最大の面積を持つ。砂漠大陸の民族を束ね世界政府に対抗する多民族国家。民の多くが貧困層であり、ディアナの技術譲渡により窮地を脱したことがある。南北大戦開戦直後にはディアナと同盟を結ぶことを発表した。

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【”未知の大陸”】
 未踏大陸。全ての大陸を遠海越しに囲んでいること、全ての沿岸が切り立った崖になっていることしかわかっていない。「この世界は神々の箱庭である」というクアイオーツ神話に基づけば、”箱庭の壁”に相当する。そのため神聖領域とする宗教が多く、大陸の名付けすら行えていない。特に砂漠大陸の民族は世界政府の派遣した探索隊を拒絶・攻撃する傾向がある。世界政府は”未知の大陸”探索を解決すべき課題の一つとしている。


▽世界情勢

 第二神歴1700年代から世界の秩序は世界政府により統括されていた。世界政府とは、平和を目的に世界各国の国々が出資し協力し合う形で作られた”戦火なき円卓”である。各国の代表が集うそれは世界の中心に位置する島国に作られることとなった。しかしこの動きに反発する者が現れる。砂漠大陸を中心とする創世神話を信仰する人々である。彼らは神の使者ではない世界政府という存在に統括されることを疎み「神々の意思ではない」と反対した。世界政府という名ではありながらも全世界を使役する権力は持たない世界政府はこれを容認、しかし打開策を探るべく神話信仰の人々と慎重に関係を築こうとしていた。当時の不穏はこの程度のものであった。
 この状況が崩れ始めたのは第二神歴1800年である。十年前から交易を遮断し鎖国状態となっていたリスナ皇国が滅亡していたことが発覚、これが神話信仰の人々へ動揺をもたらした。リスナ皇国は箱庭たるこの世界において唯一神々へ祈りを捧げられる場所であり、神話信仰の聖地であった。リスナ皇国滅亡の理由は未だに不明である。しかし神話を創作物だと考える人々にとっては不可思議な一国の滅亡という事件に他ならなかった。(「クアイオーツ神記」)

 しかし第二神歴1806年、アルモナ大陸にて予兆が表れる。外資により権力を増した南の貿易大国ミネバが中立国家群たる小国連盟を「ミネバ連合」として吸収したのだ。これによりアルモナ大陸は北の大国ディアナと小国及びミネバによるミネバ連合の二つに分断されることとなった。原住民族であり技術に長ける血統主義のディアナと、他大陸から流入してきた移民が先祖であり貿易によって財を獲得してきた実力主義のミネバ――歴史的に仲の悪い両国はその僅か1年後の第二神歴1807年、ミネバからの宣戦布告により南北大戦を開戦することとなる。この開戦に伴い、ミーア大国最大の国テラがミネバに、砂漠大陸の島国アローラがディアナに同盟を結ぶと宣言。それに続いて世界各国が次々に同盟締結を宣言し、世界はディアナとミネバに二極化することとなった。
 この戦争は二国によるものではなかった。ミネバはディアナと国境を接する小国連盟に戦線維持を押し付け、小国達がディアナとの戦争を行う形で戦争は展開する。特に小国アルテスとメテルは国土の半分が戦場と化した。ミネバのこの動きに批判は多く、しかしミネバ側についた国々の圧力により論争は行われていない。世界政府の介入も軍内への救護班設立の義務付けなどに留まり、戦火が衰えないまま南北大戦は八年を経ることとなる。

 捨て身の小国軍と堅実なディアナ軍との差は一年もかけず明白となり、ミネバ連合軍は敗戦の一途を辿る。これを打開すべく、開戦二年後の第二神歴1809年からアルテス国内で”招集狩り”が行われるようになる。これは税金を納めることのできない貧民を対象に強制徴兵するものであり、五年後には世界政府から禁止令が出されるものの、南北大戦における代表的な現象の一つとなった。なお、アルテス貧民街出身者の身体能力が著しく高いことが”招集狩り”によって判明、これにより勝利を重ねることに成功し、アルテス国内の貧民差別が解消されている。
 また、開戦四年後の第二神歴1811年にはディアナ-アルテス国境の戦場でミネバ軍による誤爆が行われ、アルテス兵数名が死亡する事故が発生。ミネバ軍はこれを否定し、アルテス側もミネバ軍を訴訟する余裕もないまま和解に終わっている。
 開戦七年後の第二神歴1814年に戦況が大きく変化。ミネバ軍最高司令官の息子が暗殺される事件をきっかけにディアナ軍がアルテス国境付近まで進軍、同時にミネバ軍がアルテス国内を進軍する事態が発生した。両軍のアルテス国内での衝突は避けられたものの、これは南北大戦において最大の危機であったと世界政府は見ている。(「Lycoris」)
 開戦八年後の第二神歴1815年、アルテス国国王相談役エレネ・ナタリアにより両国は休戦へと至る。(「Anemos」)
 

▽創世神話

 遥か昔、大御神は「己の自慢がために争い続ける神々に憩いあれ」と、とある一つの箱庭を作り出しました。そこでは、木々が歌い風が躍る美しい営みが輪廻を成していました。神々は大御神の御心に深く感謝し、ある神は香り高く咲く花を丁寧に育て、またある神は荒れ狂う天を被せ、ある神はそこに芽吹く様々な生き物を眺め――その箱庭は神々によって大切に育てられました。
 神々はいつしか、その箱庭を〈平穏〉と呼ぶようになったのです。

 しかし大御神が作られし〈世界〉の幸福は長くは続きませんでした。〈光と闇の混沌〉が〈世界〉を支配し、保たれていた均衡が崩れ始めたのです。
 雨が降り続き大地から土が流れ出、木々が立ち枯れました。太陽を失った草花や川が毒気を帯び、それを口にした命達は死に絶え、あるいは狂気と化しました。最も狂気に乱れたのは〈箱庭〉の中で唯一思考を有することを許された人間であったといいます。彼らは思考し、しかし〈世界〉中を覆いつくした〈光と闇の混沌〉という異常に気付くことはなく、やがて互いを殺め潰し合い、破壊を快楽とするようになりました。

 〈光と闇の混沌〉により、多くの神々が〈世界〉から愛を遠ざけられました。神に作られしものは神に愛されねば滅びゆく。しかし大御神は〈箱庭〉へ優しい御手を伸ばされました。神々の愛が遠ざかっていたことも〈光と闇の混沌〉の一因であるとお気付きになっていたのです。
 大御神は己が子を〈世界〉に降ろされました。二方の名は、光のファヌンと闇のシェンド。双子であり対の力を持つ二柱に、大御神は〈世界〉を託されました。

 〈世界〉の中心の島に降臨されたファヌンとシェンドは人々が畏れぬようにと人間の似姿をされていました。しかし人間とは全く異なる気高さに、人々は皆平伏したといいます。二柱は〈世界〉に愛を与えてくださいました。双つの神の子により、〈世界〉は救われたのです。
 人々は双子の神を崇め奉りました。二柱が大御神の御許にお戻りになった後も〈世界〉は箱庭として神に愛されています。
 私達は、双子の神の子が降臨された小さな島を中心に栄えているのです。

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『クアイオーツ神記第一巻第一章』冒頭より


▽物語

皇国は滅亡した。神を祀るための島国が滅びたのだ。
【クアイオーツ神記】
創世神話の舞台と言われている孤島は皇国リスナそのものである。しかし皇国は長年の鎖国の末滅亡していた。臨海国セドの青年フェルは世界政府直轄機関の一員として密猟者を捕縛していた最中、黒髪の少女ルダと出会う。彼女は皇国の姫であり、皇国は何者かの裏切りによって滅亡し、彼女はその一派に追われていた。出会うはずのない二人が出会う時、世界は再び混沌へと誘われる――全てはここから始まった。大陸戦争復讐譚第1部。


彼女は死んだ。君が殺したんだ。
【Lycoris】
北の大国ディアナと南の大国ミネバによる戦争は七年に及んでいる。両国の狭間に位置するミネバ連合小国の一つ、アルテスは疲弊しきっていた。治安の悪さを逆手に取った暗殺業で日々を暮らすユノはある日、ある依頼を受ける。それは軍学校時代の友人フィーナが死んだ原因であるミネバ国最高司令官嫡子への暗殺指示だった。ユノを案じるディス、ユノとディスを毛嫌うサキリ――遺された三人の友情が破綻の一途を辿っていく、大陸戦争復讐譚第2部。


わたくしは――戦争を止めます。
【Anemos】
アルモナ大陸南北大戦開戦から八年が経過しようとしていた。南の大国ミネバで見習い記者をしている少年ノアは編集長からの無茶振りで戦線を取材することになる。ようやく大陸中心部に位置する国アルテスに着いたものの、さらに北、北の大国ディアナとの国境である激戦区へ行く馬車がない。途方に暮れたノアはしかし、年端もゆかぬ貴族令嬢エレネに同行を申し込まれるのだった。噂と真実、思いと策略がすれ違う大陸戦争復讐譚第3部。



登場人物
▽ユノ [亡き友を忘れられない貧民街育ちの元少年兵]

「この世界には死ぬべき人間と生きるべき人間がいるんだよ」

性別:男 年齢:18(「Lycoris」時点) 身長体重:152cm, 45kg
出身地:アルテス国首都アルティ郊外の貧民街
一人称:おれ
登場作品:「Lycoris」「Anemos」
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 濃緑色の目に茶髪、張り詰めた雰囲気を常に纏うフリーの暗殺屋。貧民街育ちの孤児で身体能力や危機察知・回避能力が非常に高い。銃は百発百中の腕。南北大戦において活躍するが軍学校での事件により逃亡、祖国から指名手配されている。
 初めて自分を人間として扱ってくれたフィーナを慕うも、その死を眼前で目撃、そばにいながら助けられなかったことをサキリに責められている。
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好きなもの:食べられるもの
嫌いなもの:食べられないもの、使えないもの、生存に関与しない装飾物、サキリ
怖いもの:拷問、悪夢
夢・願望:無し
座右の銘:生き延びれば生きられる。


▽ディス [ユノを案じる天才舞台俳優兼軍所属諜報員]

「ユノは優しいね」

性別:男 年齢:19 身長体重:172cm, 58kg
出身地:非公開
一人称:僕
登場作品:「Lycoris」
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 金髪金眼、ふわふわとした少年。貴族お抱え俳優である一方、軍の諜報部隊にも所属している。天才俳優として名を馳せており、その幼い顔立ちもあって天使の異名を持つ。
 言動に取り止めがなくユノやサキリの突っ込みが追いつかないこともしばしば。軍に追われながらも暗殺業を続けるユノを案じ、時折忠告している。サキリとは仲が悪い。
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好きなもの:楽しいこと、楽しませられること
嫌いなもの:暗いこと、重いこと、利益にならないこと
怖いもの:パトロンがいなくなること
夢・願望:舞台俳優として皆を楽しませる、諜報員として戦況を明るくする
座右の銘:「女神の腰元に忍んで運を得る」虎穴に入らずんば虎子を得ずと同義


▽サキリ [ユノを恨みディスを疑う高慢な貴族相談役]

「君達の仲良しごっこには反吐が出るね」

性別:男 年齢:19 身長体重:175cm, 60kg
出身地:アルテス国首都アルティ
一人称:僕
登場作品:「Lycoris」
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 銀髪紫眼、常に相手を見下す言動を取る。空軍志望であり中流貴族の実家と縁を切って軍学校に所属していたが、ユノの起こした事件の共犯を疑われ軍を追い出された。元貴族階級としての知識を用いて王室傍流貴族の相談役を請け負っている。
 ユノの元に現れてはフィーナのことを持ち出し、ディスの元に現れては腹を探る様子を見せる。機械操縦とナイフ扱いが得意。
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好きなもの:美しいもの、心を動かすもの、装飾品、フィーナ
嫌いなもの:ユノ、ディス、過去を憂い続ける愚かさ、蛙
怖いもの:美を理解できない凡愚
夢・願望:ユノを苦しめる、ディスの企みを暴く
座右の銘:「白鳥の親は白鳥」


▽フィーナ [孤独をすくい上げた心優しき少女衛生兵]

「ほら、一人ぼっちが集まれば大勢になれる! もう寂しくないね!」

性別:女 年齢:15(享年) 身長体重:142cm, 40kg
出身地:アルテス国ザバル
一人称:わたし
登場作品:「Lycoris」
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 元気いっぱいなユノ達のまとめ役。ディスやサキリと同い年。国のために命を散らすことを至高とする当時の世論に反して救護班を志望した変わり者。
 黙っていれば戦場の天使だったが黙っていなかったのでユノ達に戦場の火種と揶揄された。料理を趣味とするが腕前は壊滅的。開戦から四年後、戦場でミネバ軍の誤爆により死亡。
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好きなもの:愛されているもの、愛しているもの
嫌いなもの:苦しみ、悲しみ、魚料理
怖いもの:愛せないもの
夢・願望:平和
座右の銘:「我らが神は我らを愛す」(神記の一節)


▽エレネ・ナタリア [戦争終結を目指す幼きナタリア家当主]

「参りましょう。わたくしの使命を――ナタリアの使命を遂げるために」

性別:女 年齢:15(「Lycoris」時点) 身長体重:140cm, 39kg
出身地:アルテス国ザバル
一人称:わたくし
登場作品:「Lycoris」「Anemos」
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 夕暮れ色の長い巻き髪に碧眼、お嬢様然としたご令嬢だが、齢十五にして国王相談役を担うナタリア家当主。夢見がちで理想を語る、豪奢な洋服を当然とする、身の回りのことは他人にやらせる等裕福な家庭で育ったことを見せつけるような言動が多いが自覚はない。
 ナタリア家の傍流の出身。ナタリア家は代々国家に仇なす者を排除する役職を担っており、その役目に感動し当時の当主である叔父へと懇願、本家の養子となった。義姉の出奔後は次期当主としての教育を受け、叔父が暗殺により死亡した後に第四十一代ナタリア家当主となる。
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好きなもの:可愛らしいもの、平穏、義姉
嫌いなもの:戦争、犠牲
怖いもの:己の思想に反するもの
夢・願望:平和
座右の銘:「努力は報われ夢は必ず叶う」


▽セヴァン [エレネに従う戦闘系万能執事]

「お嬢様のためならば」

性別:男 年齢:23(「Lycoris」時点) 身長体重:175cm, 70kg
出身地:不詳
一人称:私
登場作品:「Lycoris」「Anemos」
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 灰色がかった黒色の短髪に灰眼、常にエレネにつき従いエレネの命令を聞くナタリア家執事。面持ちは優しげだが銃器全般を扱える他肉弾戦も可能な戦闘系執事であり、エレネ以外の人物には慣れ合わない。エレネのためなら何でもするエレネ狂信者。
 黒に近い髪と目を持つ者は希少であり高貴の象徴とされるため、幼少期は愛玩用としてとある貴族の手元に置かれていた。そこを先代ナタリア家当主であるエレネの叔父が助け出し、ナタリア家に拾われることとなる。髪や目の色からするとリスナ皇国関係者の血が入っている模様。
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好きなもの:エレネ、エレネが好むもの
嫌いなもの:エレネの行く先を妨げるもの
怖いもの:エレネの思いが潰されること
夢・願望:エレネの願いが叶うこと
座右の銘:「刻石流水」


▽メリウス [ユノを慕う貧民街育ちの天然御者]

「まさかこんなところで会えるなんて! 運命の巡り合わせだね!」

性別:男 年齢:16(「Lycoris」時点) 身長体重:147cm, 45kg
出身地:アルテス国首都アルティ郊外の貧民街
一人称:ぼく
登場作品:「Lycoris」「Anemos」
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 明るい茶髪に黄土色の目の小柄な少年。明るく元気な馬貸し業の雇われ御者。タントという暴れ馬の相棒をしており、タントの世話はメリウス以外にはできない。
 ユノと同じ貧民街の出身で、ユノに庇われ”招集狩り”を逃れた。戦場で功績を上げ貧民差別をなくしたユノを尊敬している。無邪気で明るい印象を与えるが、貧民街で過ごした経験の他御者として戦場を見てきたことから、言動は冷静で大人びていることが多い。
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好きなもの:御者の仕事、タントと一緒に走ること
嫌いなもの:特になし
怖いもの:タントの空腹(暴れて手に負えなくなる)
夢・願望:友達を作る
座右の銘:「地に水撒けば花は咲く」


▽ノア [好奇心旺盛なミネバの新人記者]

「僕はただ、真実が知りたいだけなんです」

性別:男 年齢:16 身長体重:157cm, 58kg
出身地:ミネバ国アバンドン
一人称:僕
登場作品:「Anemos」
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 麦色の肌を持つ、金髪緑眼の少年。世界政府広報誌「ウラヌス」の記事に憧れて記者となったが、記事の書き方はまだ上手くはない。
 編集長の意向で南北戦争を取材することになり、アルテスへと赴く。


▽ルダ [神々を祀る神話の島国リスナで唯一生き残った姫君]

「リスナは滅びた。その意味を……わたしは未だ、理解しきれていない」

性別:女 年齢:16 身長体重:149cm, 45kg
出身地:リスナ皇国
一人称:わたし
登場作品:「クアイオーツ神記」
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 黒髪に黒目の少女。その外見は神々を祀る民族の子孫である証とされる。堅苦しい口調で少年然としており、よく性別を間違われる。皇位継承権第一位の立場だったが、後に第二位へと引き下げられ、侍女や護衛の人数が激減した。そのため護身や身の回りの一通りが自分でできる。使用武器は父たる皇王より給いし彫刻彫りの短剣。小柄さを生かした戦闘を行う。首にリアンと呼ばれる皇位継承者を示す青石の首飾りを下げている。
 第二神歴1800年に世界政府がリスナ皇国滅亡を確認した一年後、セド国山中で”商品狩り”に追われていたところフェルと出会う。初めは警戒心を露わにしていたが、フェルやヘルトゥーガの人々のあたたかさに触れ、やがて心を許していく。
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好きなもの:静かな時間、夜
嫌いなもの:一人
怖いもの:世界政府
夢・願望:またリスナでの日々に戻りたい
座右の銘:「光なくして闇はなく、闇なくして光なし」(神記の一節)


▽フェル [セド国の端で密猟者狩りをする明るい青年]

「俺のことはまあ……面倒だからフェルで良いよ」

性別:男 年齢:18 身長体重:167cm, 68kg
出身地:セド国首都セイネ
一人称:俺
登場作品:「クアイオーツ神記」
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 濃茶の髪に濃茶の目、親しみのある顔立ちの好青年。明るく闊達だが鈍感な節がある。国王直轄地である湾岸街ナドル領に設立された世界政府拠点施設「守り戦う者」に住み込み、密猟者を捕縛するなどといった世界政府構成員としての活動を行っている。使用武器は長剣。踏み込みの大胆な王宮剣術を扱う。
 本名が長いため皆に「フェル」と呼ばせている。が、フェルの本名を知る者は数少ない。
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好きなもの:昼、光、笑顔
嫌いなもの:父親
怖いもの:父親
夢・願望:皆が笑顔で過ごせること
座右の銘:「闇あらば光あり、光あらば闇あり」(神記の一節)


小話
▽各名称の由来

 大陸や国、登場人物の一部の名前はギリシャ神話・ローマ神話等を参考にしています。なお、深くは考えていない。

【大陸・国】
・アルモナ大陸:ギリシャ神話の調和の女神ハルモニアー
*ディアナ:ローマ神話の月と狩猟の女神ディアナ
*ミネバ:ローマ神話の知恵の女神ミネルヴァ
*アルテス:ギリシャ神話の月と狩猟の女神アルテミス
*メテル:ギリシャ神話の豊穣神デーメーテール

・ミーア大陸:ギリシャ神話の秋と豊穣の女神ダミアー
*セド:ギリシャ神話の海を司る神ポセイドン
*テラ連邦国:ローマ神話の大地の女神テラ

・砂漠大陸(クロア大陸):ギリシャ神話の女神デーメーテールの別名クロエー
*アローラ:ローマ神話の曙の女神アウロラ

【人物】
・ユノ:ローマ神話の女性の守護神ユーノー
・ディス:ローマ神話の冥界を司る神プルートーの語源のラテン語訳ディース・パテル
・フィーナ:ギリシャ神話の恋愛と美の女神アフロディーテ
・エレネ:ギリシャ神話の平和を司る女神エイレーネー
・メリウス:ローマ神話の商人や旅人の守護神メリクリウス
・タント:ギリシャ神話の女狩人アタランテー
・ノア:旧約聖書の「創世記」に登場する人間ノア


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Till then sit still, my soul.
Foul deeds will rise,
Though all the earth o'erwhelm them,
to men's eyes.



(c) 2014 Kei