「クアイオーツ神記」という創世神話を礎とし、
「央海」を取り囲むように三つの大陸が存在。さらにそれを囲む形で
「遠海」および”未知の大陸”が全土を囲っている。央海の中心には島が一つあり、世界の秩序を管理する「世界政府」がある。世界政府を北極点とし、”未知の大陸”の方向を南、世界政府を中心に時計回りが西、反時計回りが東と呼ばれる。
各国がそれぞれの役割を担う形で支え合っている。例えば食料は自国で生産する他にもテラ連邦国からミネバを通じて世界中に輸送され、工業品はアルテスを初めとする小国連盟所有の鉱山から産出したものをディアナで加工。装飾品は砂漠大陸産のものが高級とされており、これらの輸送に使われる船舶等はセドで作られている。
創世神話を基にした文化が根付いており、年代は「神歴」という数え方をされる。創世から
〈光と闇の混沌〉までを第一神歴と呼び、
〈光と闇の混沌〉終結を第二神歴元年としている。
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【アルモナ大陸】
北の大国ディアナと南の大国ミネバを主に擁する大陸。両国の狭間には山脈が並び、アルテスやメテルといった小国が集まっている。第二神歴1807年に南北戦争が勃発し、八年経った後も終結の見通しは立っていない。
*ディアナ国
アルモナ大陸北部に位置する大国。首都はディナル。寒冷な気候で、特に北方は年中雪で覆われている。作物が育ちにくいことから他国より技術革新が早く始まり、技術大国となった。遺伝子組み換え作物や工業生産物が有名。国民の多くが原住民族を祖先としており、色素の薄い肌や目、髪が特徴。印は月と歯車。
*ミネバ国
アルモナ大陸南部に位置する大国。首都はネルヴァス。温暖な気候で、国民の多くが他大陸からの移民を祖先とし、肌や髪、目の色が濃い人が多い。貿易大国であり、ミーア大陸の国々や砂漠大陸の人々と貿易を行っている。外資により力を増しており、その立場を利用して小国連盟を吸収、敵対国ディアナへ宣戦布告をした。印は金貨を抱いたフクロウ。
*アルテス国
アルモナ大陸中央部に位置する小国の一つ。首都はアルティ。四季のある気候で、大戦以前は他国から観光に訪れる人が多かった。元々はディアナから独立した国であり、国民の外見はディアナ国民とおおよそ似ている。他の小国と同様に鉱山を有し、資源の輸出によって成り立っていた。力を増したミネバ国により連合国として吸収され、ディアナ国国境付近は激戦区となる。ディアナとの国境である山脈地帯「ナザの森」は交易の道が整備されていたが、現在は盗賊の巣と化した。印は女神の横顔と弓矢。
*メテル国
アルモナ大陸中央部に位置する小国の一つ。アルテスと同様小国連盟の一国だったがミネバ連合に吸収され、戦線となっている。アルテスとディアナの国境よりは戦火が少ない。
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【ミーア大陸】
創世神話の舞台リスナ皇国を擁する大陸。
*リスナ皇国
ミーア大陸北部に位置する世界最小の島国。創世神話の舞台と言われ、神々を祭る神殿が多く建てられている神話信仰の聖地。白い肌に黒髪という稀有な見た目の人々が多い。独自の文化を持ち、皇王と呼ばれる君主が日々神へ祈りを捧げている。第二神暦1790年から鎖国状態となり、第二神歴1800年に滅亡が確認された。世界政府派遣の調査隊が滅亡の原因を調査中。
*セド国
ミーア大陸北部、リスナ皇国と海を挟んで隣接する臨海国。前面に海を、背後に山脈を持ち、長年難攻不落を誇った。テラと国境を接し、階級制度がある。かつてディアナと共同開発した船舶工業が有名。湾岸に国王直下領であるナドル領を持つ。〈光と闇の混沌〉以降に復興の助けとして神々が人へ贈ったとされる神界語を扱う人々が現存する数少ない国でもある。
*テラ連邦国
ミーア大陸南部に位置する大国。世界最大の面積を誇る。肌や髪、目の色が濃い。階級制度及び奴隷制度があり、自然の豊かさを利用した漁業、林業、農業といった一次産業が盛ん。南北大戦開戦直後、交易のあるミネバと同盟を結ぶことを発表した。
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【砂漠大陸】
そのほとんどを砂漠で覆われた大陸。未踏地域が多く詳細はわかっていないが、神話を信仰する少数民族が多く住み、神々の使徒ではないにも関わらず世界を掌握しようとしている世界政府を快く思っていない者が多い。世界政府が定めた「クロア大陸」という呼び名があるが砂漠大陸の民族に受け入れられておらず、その呼称を使う者はほとんどいない。希少な生物の他獣人がいるという噂もあり、乱獲目的に立ち入る密猟者が絶えない。
*アローラ国
砂漠大陸北部に位置する島国。島国としては世界最大の面積を持つ。砂漠大陸の民族を束ね世界政府に対抗する多民族国家。民の多くが貧困層であり、ディアナの技術譲渡により窮地を脱したことがある。南北大戦開戦直後にはディアナと同盟を結ぶことを発表した。
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【”未知の大陸”】
未踏大陸。全ての大陸を遠海越しに囲んでいること、全ての沿岸が切り立った崖になっていることしかわかっていない。「この世界は神々の箱庭である」というクアイオーツ神話に基づけば、”箱庭の壁”に相当する。そのため神聖領域とする宗教が多く、大陸の名付けすら行えていない。特に砂漠大陸の民族は世界政府の派遣した探索隊を拒絶・攻撃する傾向がある。世界政府は”未知の大陸”探索を解決すべき課題の一つとしている。